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愛を読むひと(2008)

THE READER
アメリカ/ドイツ
監督: スティーヴン・ダルドリー
製作: アンソニー・ミンゲラ シドニー・ポラック ドナ・ジグリオッティ レドモンド・モリス
原作: ベルンハルト・シュリンク 『朗読者』(新潮社刊)
出演: ケイト・ウィンスレット/ ハンナ・シュミッツ レイフ・ファインズ/ マイケル・バーグ


 ベストセラーの映画化ですから、読んじゃった人はそれなりのミヒャエル、ハンナ像を持って見たんじゃないでしょうか。
 
 …それで、私は映像と本のイメージとの違和感「なんか違う」感覚を忘れて見ることができませんでした。
 ケイト・ウィンスレッドは素晴らしかったと思います。30代から老年まで、身体の表現が見事でした。

 違和感を挙げていくと
 ・ハンナの「毅然」が不足に思う。
 ・ミヒャエルがマイケルになったのが変。英語の映画になっちゃってるから仕方ないんだろうけど、本で「ミヒャエル」になじんでると、マイケルだと別人に思えてしまう。
 ・ドイツ人としての戦争への世代的なスタンスの取り方みたいな、主人公のハンナへの思いに絡みついてそれを締め上げて、現実のハンナから遠ざけるような、ドイツ人の各世代それぞれの罪から自分を遠ざけようとする意識がちょっと表現しきれてないように思う。

 一番気になるのは「毅然」です。
 服役中のハンナの「毅然」をもっときちんと見せて欲しかったですね。それが、彼女が事実から逃げようとしなかったこと、しかしながら、300人の死の責任者を敢えて認めたこと、そして彼女が「坊や」が迎えに来る前に自分のけりをつけた行動につながるのではないですか?

 文句ばっかり言ってますが、映画を原作より先に見たらきっと素直に「いい映画」だと思ったんじゃないかと思います
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by ningyo32 | 2010-08-28 17:20 | 映画

インビクタス/負けざる者たち(2009)


監督 クリント・イーストウッド

 1994年、反アパルトヘイトの闘士ネルソン・マンデラは南アフリカ初の黒人大統領に就任。しかしアパルトヘイト撤廃後も、人種対立と経済格差は厳然として存在する。95年に南アフリカで初開催されるラグビーW杯を国民の融和のきっかけにしたいと考えたマンデラ大統領と、それに応え、優勝を勝ち取った南アフリカのチームの実話。

 存命中にこれだけ称えることのできる人は、それもマザー・テレサみたいな活動家でなく、政治家としてというのはそうそういない様に思う。それだけ、人は(やはりまだ)不屈と寛容とに価値を認めているという証拠でしょう。「マンデラの名も無き看守」でもそう思います。
 この映画は描写はあざとくなく、トーンは淡々としております。格差の描写も見せつける感はないけど、どこでも格差の現実が写ってるように思えるし。ラグビーのプレイも、「血沸き肉躍る」というよりは「息詰まる」感じ。
 困難を抱えた国で、ある出会いが限界を超えた奇跡を起こした感動の実話を、名優とイーストウッド監督という巧者が見事にまとめあげました、という文句の出ようのない映画です。
 マット・デイモンもアスリートしてるし、チーム・メンバーの筋肉も変化してるのが芸が細かい。

 キーになるのはタイトルの "INVICTUS" です。
 自分自身が己の魂の指揮官であると言い切れる人はどれくらいいるでしょうか。私もそうだけど「意に反するけど仕方がない」とかいってること多いですから。それに自分が不遇を強いられると、何かで帳尻を合わせないと正しくない、フェアでない、とか思ってしまいます。自分の「正しい」のモノサシを、普遍的なものに合わせられる精神はそんなに簡単には得られません。

 去年、やはり南アフリカ映画の「ツォツィ」も見ました。あれもつらい映画でしたがあきらめてはいけないのですね。
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by ningyo32 | 2010-08-18 15:47 | 映画

Dr.パルナサスの鏡(2009)

製作国 イギリス/カナダ
監督: テリー・ギリアム

 前の記事でいきなり残念とか言っちゃいましたが、そもそもこの映画のテーマがあまりにも私にとって痛かったので、もし主役がヒース・レジャーのまま、(あくまで個人的な)困惑の種がなければどれだけ突き刺さる映画になったか…と思ったからです。

 ここ2~3年、私もちょっと家庭内疾風怒涛の中にありましたが、その中で、人が自分自身の物語を作っていくことで、不本意な現実に踏みとどまる気力を支えている、ということを実感させられました。
 記憶というものも、見たこと聞いたことを自分が再構成しているものでしかないのかもしれません。それならば、世界は人数分だけの個人世界があって、それが数学の集合のように、キャップしたりカップしたり。
 …てなことを考えるのも、ちょっとビョーキかもしれないですが、そういう「ビョーキ」なところや、卑小さをみせて、かつ魅力的なヒース・レジャーがなぜ、この映画を完成させずに死んじゃったのか!、とそれが本当に残念。
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by ningyo32 | 2010-08-15 17:42 | 映画

今年前半の残念

引っ越し後の初は、今年前半の残念から。

Dr.パルナサスの鏡(2009)

製作国 イギリス/カナダ
監督: テリー・ギリアム

 主演のヒース・レジャーの急死で、主役がリレーということになった映画です。テリー・ギリアムらしい映像のなかなか私の好みの映画だったのですが、私、コリン・ファレルの眉をみると笑っちゃうのです。
 なのに、ラストがコリン・ファレル。
 ビロウドやサテンの手触りの悪夢といったような映像と、ヒース・レジャー、クリストファー・プラマー、トム・ウェイツの俳優陣にもうれし涙でしたが。

 仕方のないこととはいえ、個人的にすごく残念。
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by ningyo32 | 2010-08-13 20:39 | 映画

引っ越しました

引っ越しました。
かれこれ1年近くブログを放りっぱなしにしていたので、この際心機一転です。

個人的にいろいろあったのですが、一番の問題は目を悪くしたことです。
映画館や劇場のような明るさにコントラストのあるところはあまり行けなくなりました。
3月にミュージカルを見に行きましたが、後半は目が痛みだして、右左かわるがわる押さえながらの片目鑑賞でした。
映画もDVDを家で見るならなんとかなりますが、本当に見たという気がいたしません。
がっくりして、ブログの記事も整理してネットからフェードアウトしたほうがいいかなと考えていましたが、今はもう少し書いてみようと思って、ここを開設しました。

「個人的ないろいろ」で、ものの見方も多少変わりました。
ブログタイトルは結構今の心情を映しております。元ネタは親鸞聖人の作といわれる和歌でございます。

 明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは
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by ningyo32 | 2010-08-13 20:12 |

とはいえ明日の思案は明日に
by ningyo32

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